中期流産、死産について

中期流産をした話。不育症検査。

3日目 出産の日

いよいよ出産当日。

早朝6時に座薬型の陣痛促進剤を子宮口に挿入。

まだこの時間は当直の看護師さんしかいなくてポンコツだし、次何が来るかわからん怖さと痛みで叫んでた気がする。


入れた瞬間はかなり重たい生理痛くらいで、旦那が到着して話してるうちにだんだん楽になってきた。


1回の促進剤で効く人はあんまりいないから、次は9時くらいね~」って言われていたので、未知なる陣痛に怯えながら座って待ってたら、ちょっと動いた時に ぷるんっ! っと何かが出る感じがして即ナースコール。


バタバターッと看護師さんと助産師さんが来て、その場で確認したあと分娩室にゆっくり移動。


どうやら小さな男の子が綺麗に産まれてきたらしい。

胎盤を剥がす時に人生で1番痛い痛みは更新。


その後、病室に戻って小さいダンボールの中に生花と一緒に入った小さな小さな我が子と対面。

綺麗だけど、やっぱりまだまだ小さな宇宙人みたいなお顔。

それでも愛おしくて微笑みながら涙を流して見てた。


でもちゃんと頭蓋骨も顎も眼球もうっすらまぶたの線も、鎖骨も手の指から足の指まで未熟ながらに完全に人間の形をしてて、生命って本当に神秘だなぁって思った。触るとスライムみたいだった。


旦那と「ありがとうね~」とかいろいろ話しかけたり、写真を撮ったり、3人で写真を撮ってもらったりもした。


悲しい気持ちとか愛しい気持ちとかどうしようもない気持ちとか、何が何だか分かんないけど泣きながら我が子を見てて、ふと旦那を見たら、あんまり感情を外に出さないし泣いたことない みたいなタイプなのに目が赤くなってて、同じ気持ちなんだなぁってすごく嬉しくなった。


それから夜までずっと2人でその子と病室にいたけど

ご飯食べながら「ママはサヤエンドウ嫌いやねん」

とかくだらないことまで ことある事に子どもに話しかけてて、昨日までは話しかけるのがあんなに照れくさかったのに今はこんなに普通に話しかけてる自分にびっくりした。


もしかしたら、これがお母さんになるってことなのかな~なんてちょっと思ったりもした。


流産の場合は臍の緒とか取らないみたいだったけど、火葬しても小さすぎて骨が残らないって聞いてたし、事前にいろいろネットで調べて臍の緒と手形足形をくださいって言ってたから、2mmくらいの細さの臍の緒をもらった。手形足形は小さすぎて無理だったらしい。


場所によっては普通の出産と同じ扱いで名前を決める医院もあるってのもネットで見つけてたから、赤ちゃんが自分の名前だってわかるかもしれないと思って、名前をつけた。


あとから看護師さんが

「本当は陣痛促進剤を使うとかなり陣痛が痛むし、初産だから相当つらいことを想定して旦那さんを早く呼んでたんだけど、陣痛どころか痛みなく産まれてきて、その後の子宮収縮剤でも普通は重い生理痛くらい痛みがあるのに全く痛くなかったなんて、本当にすごいことだよ!この子がそうしてくれたんだね~!お母さんがすごくこの子を大切にしてたのが伝わったんだよ」って言ってくれてまた泣いた。笑


妊娠した時のつわりもほとんどなかったから

最初から最後まで親孝行な子だな~って思った。



最初は本当に本当に悲しさとつらさと痛さで、人生で初めての絶望を感じたし、なんで?って気持ちでいっぱいだったけど、産んだ後は母になれたことが嬉しかったし、産まれてきてくれてありがとうって思えた。


私が結婚してもまだまだ子どもみたいに自分の好きなように生きてたから、そんなんじゃお母さんになれないよって教えてくれたのかもしれない。笑




こんな話を聞いて、つらい気持ちになってしまった人もいるかもしれないし、それは本当にごめんなさい。

だけど、妊娠したから出産できるとは限らなくて、新しい命が元気に生まれてくるって言うのは本当に奇跡なんだなって感じれたし、本当にいい経験だったと思ってる。

経験しないに越したことないけど、私には必要な経験だった気がする。


「染色体異常の確率が高いし次の妊娠には関係ないよ、母体のせいじゃないよ、だから1回目の流産で検査する人はほとんどいないよ」って言われたけど、でもやっぱり同じ痛みと気持ちは味わいたくないし怖いから、不育症の検査の中から血液検査だけはして、またいつかお腹の中に2人目の子が来てくれたらいいな~って思ってます!


さすがに自分が産んだ後に別の人が分娩室に入って、男の子が産まれた経緯が全部聞こえてきた時は自分に対して悔しくて泣いたけど、笑



中期流産ってなかなかネットでも経験談や情報が少なくて不安と悲しみが更に増したように感じたので

このブログを見て、私だけじゃないんだと思っていただけたら嬉しいなと思います。



2日目

次の日の朝、朝食が多すぎてびっくりした。

この日は朝と晩に2回子宮口を広げる施術だけ。

昨日の感じかと思って気楽に診療室に行ったら、昨日はいなかった看護師さんが横について手を握ってくれている。


え!?なんで!?

とか思ってたら、それはそれは激痛。

痛くて叫んだけど泣くほどじゃなかった。

でも、涙が止まらなかった。


すごく痛いのに、子どもは生きて産まれてこない。

これは死んだ子を外に出すための痛み。

って考えたら悔しくてやるせなくて、病室に帰って声を上げて泣いた。

看護師さんが背中を撫でながら話を聞いてくれて、わんわん泣きながら話した。


産婦人科の病院食は母体の健康のためにすごい量で栄養も考えられてるんだけど、母乳を出すために汁物は味噌汁だけじゃなく必ずスープもついてるってことを知って、「私には必要ないのに」って思うと1口ごとに泣いてしまってほとんど手がつかなかった。


そして何もない時間を過ごして、夜になると旦那が仕事を終えて来てくれた。

そして夜の子宮口を広げる時間。

今朝みたいな感じかな~、痛いけど頑張ろう〜と思って旦那に病室で待っててもらい、診療室へ。


だけど今度は今までの人生で1番の激痛。

しかも当直の看護師がポンコツのおばちゃん一人しかいなくて、器具の位置も名前も、診察の椅子の上げ方すら分かってないし、院長はなんの説明もなく器具入れてくる人だったから説明してくれる看護師さんもいないしで時間はかかるわ不安だわで叫び散らかした。笑


二足歩行の壁みたいな歩き方しながら病室に戻り

旦那の顔を見たら涙が溢れてきた。


この時に旦那が「ありがとうね」って私に言ってくれたのがすごく嬉しかった。



痛み止めがある程度効いてから旦那は帰宅。

完全に痛み止めが効いてきたら、施術したところじゃないところにちょっと痛みのような違和感。


夜の施術の時に破水してたから、もしかしたらここに赤ちゃんがいるのかもって気がしてきて

今まで恥ずかしくて声に出して話しかけたことは無かったけど、赤ちゃんと過ごす最後の夜だから、痛むところに手を当てて「明日がんばろうね~ママ頑張るね~」とか、こそこそ話した。照れくさいから小声で。

死産になった日 1日目



「お腹の違和感があるから念の為検診しとこ」

って思って検診に行ったら「週数的に体外のエコーになります~」と言われ

お腹の毛をまばらに沿ってしまっててめちゃめちゃ恥ずかしいな… なんて思いながらお腹を出してエコーを受けてたら

言われた言葉は「今日って旦那さん来れますか?」


え、そんなにやばいのかなって思いながらいつも通りの体内エコーも受けることに。

そしたら前回の検診までは元気に動いてた赤ちゃんとその心臓が止まってるのが見えた。

なんかわからんけど、嫌な予感がして涙を堪えながら診察室に戻ると先生から一言


「残念ながら亡くなってます」



その瞬間、涙が止まらなくて声を上げて泣いた。

信じられなくて「これはもう処置では回復することもないんですか?」って看護師さんに泣きながら聞いた。



その日は本来なら安定期になる直前の155日。

でも赤ちゃんの成長を示す文字は135日程度。

前回の検診が125日だから正確には分からないけど検診の1週間後から成長してない。


1回だけの確認では死亡と断定したらダメらしく

旦那と一緒にもう一度エコーの確認をする必要があるとのこと。


泣きながら旦那に電話して、赤ちゃんが亡くなったことを伝えると、仕事を早退してすぐに来てくれた。


とりあえず落ち着くまで別室で2人。

流産の理由はほぼ染色体異常だから自分を責めないでねって言われてたけど、落ち込んでる旦那を見て申し訳ない気持ちになった。


そして、本当はもう見たくないエコー。

しくしく泣いてたら旦那が頭を撫でてくれた。


「一応お腹の中に死体がいるわけだから、腐ってしまうと母体にも影響が出てしまって今後の妊娠にも関わるから今すぐ入院した方がいい」って言われて、当日の夜から入院。


本当は翌々日に友達の結婚式があってどうしても行きたかったけど、急に破水や出血する可能性があるからダメって言われて泣く泣く欠席。


次の検診まで待ってたら、何も気付かずに結婚式行けたのにな~なんてことも思ったけど、出血するまで気付かないことが多いって聞いたのにお腹が痛くなったのは、早く出した方がいいよって赤ちゃんが教えてくれたからなのかな~って思えた。


そして初日は子宮口を徐々に広げるためのラミセルという海藻で出来た水で膨らむ繊維を子宮口に挿入。

事前にネットで調べたらめちゃめちゃ痛いって書いてたからビビってたけど、普通の子宮がん検診とかと同じくらいで「私って痛みに強いのかも~!」とか思ってた。


病室も個室で「旅行みた~い!」とか言ってたけど

夜寝る時はどうしても考えちゃって1人でずっと泣いていた。

初めに

つらい話なので、見たくない人は見ないでください。

妊娠中の人は出産が終わってからの方がいいかもしれません。




医学的には22週未満の子を亡くすことは流産というので

私の場合は 妊娠中期流産 という名前です。


(ネットでは後期流産と出てくることが多いです)


でも、12週以上の子は子宮内掻爬じゃなく出産をしないといけなくて、産まれた子は死産届けを出して火葬になるので法律的には 死産 になります。


流産の確率は7人に1人だけど中期流産の確率は50人に1人。

多いんだか少ないんだか分かりませんが…



次から自分目線であったことをできるだけ細かく書いていきます。